国内最強といわれ、JBJJF全日本選手権で4度優勝し殿堂入りを果たした中村大輔選手(パトスタジオ)VS 柔術皇帝ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ選手(ノヴァウニオン)がポラリスプロ2で対戦しました!!
素晴らしいスイープ合戦だったので簡単なブログ記事にしました。
ポラリスは一本決着ルールなのでスイープやテイクダウンのポイントはありませんが、あると思って観る方が競技柔術志向の方には勉強になるはずです。
日本を代表する最強柔術家、JBJJF殿堂入りの中村大輔選手が、フォータイムズIBJJFワールド(ムンジアル、世界柔術選手権)王者のヴィトー・シャオリン・ヒベイロ選手と対戦したポラリスプロ2の一戦。
日本、ブラジルのレジェンド対決です。
この試合大好きなんですよね。非常に緊迫感があり、攻防がテクニカルで面白すぎます^^
私なんか中村大輔先生にボッコボコにされ、ありえないくらい強くて手も脚もでないですがw
やはり皇帝といわれるだけありシャオリン選手凄いです。
お互いムーブも綺麗で名選手同士の最高の試合です。
【画像を抽出しました。】
一度記事を見た後に、再度、動画を見ると理解度が変わっていて面白いかもしれません^^
序盤は立技の攻防が続きます。
・4分 シャオリン選手のシングルレッグハーフスイープ
ラペルを使ったスイープで素晴らしいですね。
中村大輔選手のニースライスパス(ニーカットパス、クロスニーパス)に対してラペルを使ったシングルレッグハーフスイープ(ダブルレッグと言ってもよさそうですが教則ではこの手のはシングルレッグハーフスイープと書かれてある事が多いような)が見事に決まりました。
シャオリン選手のこのデラヒーバでもリバースデラヒーバでもないガードが特徴ですね。
何かあるとすぐ自分の足をクロスさせます。
そしてラペルを必ず括っています。緩い感じのハーフにラペル。右脚は立ててるのでニースライス出来ないし、さらにラペルを掴みタイトに。このハーフガードはニースライスに相性が良い感じがしますね。。
起き上がります。
ラペルで脚をくくられているからか
中村大輔選手の右脚が持ち上がり身体が浮いてますね。
膝裏〜ハムストリングス辺りを持ち上げられコントロールされています。
シャオリン選手の右手は中村大輔選手の左裾を掴んでいますね。
スイープ成功。
これに似たテクニックがベルナルド・ファリア選手のベルナルド・ファリア ザ・バトル・テスティッド・ハーフガードのDISC1にシングルレッグハーフスイープという名前で収録されています。
・5分30秒
シャオリン選手のシングルレッグテイクダウン
シャオリン選手、脚を引きながら勢い良くテイクダウン。
脚に密着し、身体をくの字にさせてますね。
・5分38秒
我らが中村大輔選手のスイープ
右手は前襟、左手はズボンを掴んでいます。
膝と裾の中間くらいですかね。
右の脛を当てています。
Zガードですね。一旦引きつけています。
引きつけて後ろにベースをとろうとしてくるところに合わせて
パーンチ!振り子の原理を使ったスイープですね。
前襟はパンチ、ズボンを掴んで引きます。
足は手前に引いています。上手すぎますね。
押しながら引くという、ブラジリアン柔術でよく使われる力の使い方ですね。
合気道的な回転というか遠心力も加わってる感じですね。見たらわかると思いますがw
基本のスイープですが、元世界王者にかかるのは中村大輔選手の練度が半端ないからですね。
日本の誇りですね^^
・6分28秒
シャオリン選手のハーフバタフライスイープ
股の間に足を入れて蹴り上げるタイプのスイープですね。
@前襟と膝横を掴んでいます。
A一旦起き上がり潰そうとしてくるのに合わせて蹴り上げていったように見えました。
シャオリン選手、左手を前襟から右肘に持ち替えてます。
蹴り上げる際に手をマットに着かせにくくするためでしょう。
常に先を読むことがブラジリアン柔術では大切ですね。
ハーフバタフライから
これも狙っていたように見えますね。
ここでは@押してA引くという、←→振り子の原理をつかってますね。
さすが世界王者!中村大輔先生もですが、必ずフェイクを入れスイープしてますね。
ここまで蹴り込んでいます。
この巴的なハーフバタフライスイープはデラヒーバに合わせて、相手がデラヒーバじゃない方の脚を跨いでハーフバタフライを作ろうとする相手に対してカウンターでやるバージョンがメジャーですね。
スイープ成功。
起き上がりもスムーズ。日頃から使っている練度の高いスイープだからでしょう。
・9:28
シャオリン選手のダブルレックテイクダウン+ラペルバージョン
ここで再度注目。シャオリン選手のガード。
ニースライス対策なのか、常にコレですね。
外側の足が上ですね。その方が抜けにくい感じはあります。
ここでもシャオリン選手が中村先生の近い方のラペルを括って、足は両方を絡めているのがわかるかと思います。
何度もこのガードを多用していますね。
そしてここから再度スイープをしかけます。身体の回転を使った崩しが上手いです。
一度、シャオリン選手からみて左に崩し、中村大輔選手は右足をマットにつきました。
これも狙っていたのでしょうか、ここから起き上がります。そしてここでもラペルをしっかり握ってますね。
さらに注目すべきなのは、角度的に見えませんでしたが、右手は膝横を掴んでいます。前回は裾でしたね。
すでに中村大輔選手の左足が浮いています。
ここでも逆にふって戻る反射を利用していますね。このクラスの選手には普通の技はかからないのでしょう。
ラペルを引いて、持ち上げていることで中村大輔選手の右足が浮いています。
円を描くような軌道で崩しています。
スイープ成功。お見事です。
・12.18
ついに日本のエース、シャオリン選手に捕まる。
バックテイクから送り襟絞めまで。
次の攻防、逃げる中村大輔選手は背中にへばりつかれてしまいました。
座ってもしっかりと腰を密着。
起き上がって逃げる過程で、片足を入れられてしまい
転がされシングルバックに
下の足が入らないようにディフェンスするも
足が入ってしまい、ここでシャオリン選手バックマウントに成功。
読者の皆様、ご存知だと思いますが、下の足のフックが入るとエスケープが大変難しくなります。
シャオリン選手、チョークを狙いにいきます。
中村大輔選手は右手でシャオリン選手の左袖を掴み引っ張って絞めれないようにしてますね。
シャオリン選手、掴まれた袖をぶちりと切ります。
ここからが早い。シャオリン選手は左手で中村選手の右前襟をつかみ一気に絞めたいはず。
ここでは見えないけども右手で中村選手の右前襟を引き出しているはず。
そして左手で掴み 左足を肩にかけ一気に絞め上げます。
最後まで観てわかったのですが、送り襟絞めですね。両手を使って絞めています。
この絞めは手ではなく脚&背筋の力を主に使って絞めるのが上級者の絞め方。
ブラジルのレジェンド級の選手の本番での極めの強さってすごいですね。
ここぞというときに決める!ブラジルのサッカーに通じるところがあります。
野生の勘的な動きでここぞという時に必ず極める印象があります。特にプロマッチなどで。
いやー素晴らしい試合でした!
メチャメチャ強くて動ける両者。
まだまだ若いものには負けません(笑)
両選手ともに最高に素晴らしい試合をありがとうございました^^
シャオリン選手のテクニックに似てるということで記事中で紹介したテクニックが収録されているのがこちら。
今年のハーフガード教則の先人を斬って発売された名作。
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